研究発表!昆虫などの節足動物は「体内に植物ホルモンのオーキシンやサイトカイニン」を持っている
佐賀大学農学部・佐賀大学大学院農学研究科・鹿児島大学大学院連合農学研究科、茨城大学農学部の研究で(代表:佐賀大学農学部 徳田 誠先生)、昆虫に関する世界初の研究報告が発表されました。
植食性の昆虫の中には、植物の発生過程を操作して、虫こぶを形成する種が知られています。我々は、これまでの研究の過程で、虫こぶを形成する昆虫が、植物ホルモンのオーキシンを合成する酵素を持っていることや、同じく植物ホルモンであるサイトカイニンの一種を体内で合成している可能性が高いことなどを明らかにしてきました。また、オーキシンを合成する能力は、虫こぶ形成昆虫だけでなく、虫こぶを作らない植食性昆虫や、さらには植物を食べない昆虫も持っていることが判明しました。
なぜ植物を食べない昆虫の体内にも植物ホルモンを合成する能力があるのかを明らかにするため、本研究では、昆虫に加えてダニやクモ、多足類を含む様々な陸生節足動物を分析し、オーキシンやサイトカイニンを保持しているかを調査しました。
その結果、分析したすべての節足動物が、高濃度のオーキシンを体内に保持していることが明らかになりました。一方、サイトカイニンに関しては、特定の昆虫のみが保持していました。今後、昆虫などの節足動物におけるオーキシンの機能が明らかになれば、植物ホルモンとして広く認識されているオーキシンという物質に関して、新しい観点から生物学的な重要性を認識できる可能性があります。
詳しくは下記をご覧ください。
参照元:佐賀大学広報室
昆虫などの節足動物は、 体内に植物ホルモンのオーキシンやサイトカイニンを持っている
https://www.saga-u.ac.jp/koho/press/2022032824220