先生の活動

佐賀大学理工学部 嘉数 誠先生「世界初ダイヤモンド半導体パワー回路を開発 -高速スイッチング、長時間連続動作を実証-」

▲佐賀大学理工学部 理工学科 電気電子工学部門 嘉数 誠 教授

2023年4月17日、佐賀大学理工学部 嘉数 誠先生が「世界初ダイヤモンド半導体パワー回路を開発 -高速スイッチング、長時間連続動作を実証-」と題して記者会見を実施されました。
嘉数 誠先生を中心とする研究チームは、次世代の究極のパワー半導体のダイヤモンド半導体デバイスで、世界で初めてパワー回路を開発しました。ダイヤモンド半導体パワー回路は、10ナノ秒を切る時間で高速スイッチング動作を示し、190時間の長時間連続動作では、特性劣化が見られませんでした。カーボンニュートラルの実現とともに、通信量の膨大化により開発が急がれるBeyond 5G基地局からの出力の飛躍的向上や、未だ真空管が使用されている通信衛星の半導体化が実現できるようになることが期待されます。ダイヤモンド半導体は、従来のシリコン、シリコンカーバイド、窒化ガリウム、と比べ、放熱性、耐電圧性、耐放射線性に優れており、地上だけでなく宇宙空間でも安定に動作させることができます。佐賀大学は、昨年ダイヤモンドの大口径化と半導体デバイスの周辺技術の高度化を進め、次世代のパワー半導体のダイヤモンド半導体デバイスを作製し、世界最高の出力電力および出力電圧を報告しました。しかしパワー半導体を実用化するためには、パワー半導体の回路を作製し、スイッチング特性や長時間連続特性などの動的な特性で実証する必要があります。今回の成果は、ダイヤモンド半導体のパワー回路が動的特性においても、問題はないことを示すものであり、今後、パワー回路の実証試験を進めながら、デバイスの周辺技術の研究開発を進め、本格的に実用化に向けた研究開発を加速させてまいります。
なお、本成果は、世界的に最も権威ある米国電気電子学会(IEEE)のElectron Device Letters誌に2本の論文として掲載されます。
詳しくは記者会見の動画、および下記のリンク先をご覧ください。

参照元:佐賀大学広報室
世界初ダイヤモンド半導体パワー回路を開発 -高速スイッチング、長時間連続動作を実証-

https://www.saga-u.ac.jp/koho/education/2023041729592

関連リンク:【Special Contents Vol.14】インタビュー/理工学部 理工学科 電気電子工学部門 嘉数 誠 教授
https://sagadaipress.saga-u.ac.jp/special/4970/

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