NEW
佐賀大学など研究チーム 応力発光半導体でスピンドープ強磁性を発見 エネルギー関連材料の機能革新に大きく寄与

佐賀大学、東北大学、筑波大学、九州大学、高エネルギー加速器研究機構、J-PARCセンターによる研究論文が発表されました。
この研究は、素粒子の1種であるミュオンを利用した応力発光のメカニズム研究において、予期せずに真性希薄磁性を発見しました。ミュオンスピン分光という実験方法はもともと(小さな内部磁場しか作り出さない)希薄磁性の検出に最適な実験手段です。ミュオンのスピン緩和信号の大きさは測定試料中の磁性相の体積分率に比例します。そのため、微量外因性不純物汚染があってもその影響を完全に払拭できます。本研究は、代表的な応力発光物質EuxSr1-xAl2O4 (x = 0.2−2%)において、4化学結合原子以上の距離にわたる超長距離磁気カップリングの存在を明らかにした上、強磁性相に転移することを発見しました。更に、光を照射しながら行った磁化測定実験によって希薄磁性の発現機構にポーラロンが関わっていることを明らかにしました。この光照射効果は同時に、光による希薄磁性半導体の制御ができることを示しています。本研究は、希薄磁性の存在を実証した点が高く評価されました。さらに、本研究によって発見された強磁性応力発光半導体では微量の添加希土類原子が同時に発光性と磁性を担うことから、本研究は機械的な力・光・スピントロニクスの相互制御と多元エネルギー変換という未踏技術に道を拓くものとして評価されます。
詳しくは下記をご覧ください。
参照元:佐賀大学広報室
応力発光半導体でスピンドープ強磁性を発見 エネルギー関連材料の機能革新に大きく寄与
https://www.saga-u.ac.jp/koho/education/2025080738245