佐賀大学医学部などの研究チーム 薬用植物「ムラサキ」の葉緑体ゲノムを完全解読
佐賀大学医学部などの研究チームが、絶滅が危惧される薬用植物「ムラサキ」の葉緑体ゲノムを完全解読し、2024年1月17日に国際学会誌「Plant Gene」オンライン版に掲載されました。
ムラサキは東アジア地域に分布する多年草であり、根の外皮にナフトキノン系の化合物「シコニン」を産生します。この化合物は優れた抗炎症活性・抗菌活性を持つことで知られ、ムラサキの乾燥根は古来より止血、解熱や解毒に利用されてきました。また、本邦では和紙や高官・高僧が身につける衣類を染色するための原材料として用いられてきた歴史があり、シコニンがもたらす鮮やかな紫色は高貴さの象徴として特別に扱われています。かつては日本各地の山地草原に広く自生していましたが、、自然環境の変化や乱獲の影響により、近年では環境省レッドブックで絶滅危惧種IBに指定されるまでに個体数が激減しています。
保存活動を進める上で、在来種の判別や系統解析に適した遺伝子マーカーの開発は重要な課題のひとつです。この度、佐賀大学の岡田貴裕助教、九州栄養福祉大学の渡邉啓一教授の研究グループは、長野県原産ムラサキの葉緑体ゲノムを完全解読しました。詳しくは下記をご覧ください。
参照元:佐賀大学広報室
絶滅が危惧される薬用植物「ムラサキ」の葉緑体ゲノムを完全解読しました
https://www.saga-u.ac.jp/koho/press/2024022932779