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【Special Contents Vol.19】先輩の活躍/佐賀大学医学部看護学科卒 筒井八恵さん

助産師の多様な可能性を求めて

佐賀大学医学部看護学科卒業後、日本赤十字社医療センターにて助産師として働く。その後、シンクトワイス株式会社で人事支援の経験を積み、2018年にコネヒト株式会社へ。2020年11月佐賀県との連携協定を締結。自治体との共創事業、企業へのダイバーシティ研修の企画・講師を行う。現在はXTalent(クロスタレント)株式会社で事業開発、広報PRを兼務。

佐賀大学医学部看護学科から助産師へ

佐賀大学医学部看護学科OBの筒井八恵さん。大学時代は、海外ボランティア・ピアカウンセリングなど多様な活動をなさったとのこと。卒業後、東京の日本赤十字社医療センターへ入職。病棟や産科外来でハイリスク妊婦、ご家族と関わることで、対象者やパートナーを取り巻く就労環境、ジェンダーギャップに社会課題を感じ、自分に何ができるかを模索しながら、民間企業へ。
実は「日本で一番厳しい病院で助産師視点を学び、起業する」ということが上京した一番の理由で、周産期と呼ばれる出産前後だけではなく、長期的な視点で、生活・就業環境、社会構造をよりよくするために、病院の中からだけでなく外からのアプローチを実現したいと思ったのだそう。日本における出生数減少、人口減少とともに起こる課題はさらに深刻化する中で、対象者はもちろん、それ以外の人々の認識や行動もアップデートされる必要がある。そのためには、周産期のプロフェッショナルであるだけではなく、世の中の動き・市場をみる視点が重要で、周囲を動かせる人にならねばという漠然とした危機感を抱いたことが、キャリアの基軸を院内から外に移される動機となっておられます。

▲学生時代、インドでボランティアをした筒井さん

「社会課題×IT」で、地域に根ざした新たな価値を創る

筒井さんは2018年にコネヒト株式会社に入職され、企画営業部署を経て事業開発部署へ異動。「助産師という、人の生死に深く関わるプロフェッショナルな仕事を通じて感じた社会課題が、私の20代のキャリア選択の意思決定軸になりました」と筒井さんは話されます。
コネヒト株式会社では、子どもを出産した女性の3人に1人(※)が利用するアプリ「ママリ」に集まるデータを元に自治体との共創事業を主導されました。2020年11月には佐賀県と連携協定を締結。「ママリ」の技術基盤をいかした地域コミュニティ事業に尽力されました。

※:「ママリ」で2021年内に出産予定と設定したユーザー数と、厚生労働省発表「人口動態統計」の出生数から算出。

マクロな視点から広がる、助産師の多様な可能性

現在、筒井さんは「多様なリーダーが生まれ、個と組織が活性化する社会へ」をビジョンとして掲げるXTalent株式会社にて、事業開発と広報PRを兼務。DEIコンサルティング事業の立ち上げをリードされています。そんな筒井さんより、在学生の皆さんへメッセージをいただきました。

▲XTechグループ総会で「BEST Player Award」を受賞した時の筒井さん(中央)

助産師は、対象者の持っている力を引き出し、最大化する仕事です。多くの人は「産婆さん」という名前で認識している程度ですが、周産期に留まらず、乳幼児〜思春期〜更年期に至るまで、人間のライフサイクルを通した接点が幅広い仕事です。世帯・地域など多様なステークホルダーと関わり、対象者とその周囲環境のアセスメントをし、介入してゆきます。掘り下げるとミクロな世界なのですが、マクロにみることで出せる助産師の価値もあります。「安全に、満足度の高いお産をサポートする」という点を最大化する助産師の仕事もあれば、「対象者のwell-beingが高い状態を築くための環境・社会構築をする」という、線をつなげて面にする助産師の仕事もあると自負しています。専門職なので、そのプロフェッショナルは大事にしつつも、自身のメタ認知能力を高める努力はよりよいケア提供のためにも必要です。対象者と社会をつなぐチャネルはどこか、なにがその人の人生にとってのドライバーなのか、その解像度を高めるには、広い視点かつ、時には対象者以外にもアプローチすることが必要なのです。この記事を読んでくださっている方々が既存の枠組みを超えたチャレンジを考えておられるとしたら、まずは一歩踏み出してほしいなと思います。

(2022年9月取材)

関連リンク:コネヒト株式会社
https://connehito.com/

関連リンク:XTalent株式会社
https://xtalent.co.jp/

関連リンク:子育てポータル 子育てし大県“さが”|佐賀県
https://saga-kosodate.jp/kosodate/

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