【SpecialContentsVol.53】国立大学初 佐賀大学コスメティックサイエンス学環（仮称）設置構想

佐賀大学では、化粧品産業を主とした地域産業の発展と持続可能な成長に貢献するため、国立大学初の「コスメティックサイエンス学環^※（仮称）」を令和８年４月に設置する準備を進めております。佐賀大学では新しい分野での人材輩出を目的に、本学が有する境界領域、学際領域を融合した学び、研究の場の創造を目指すものです。

※学環とは学部相当の教育組織です。
学部は一つの専門分野に特化しています。一方、学環は複数の分野を組み合わせて学ぶことができる新しい教育の形です。これにより、学生は多角的な視点を持ち、より広い視野で学びを深めることができます。

佐賀県と佐賀大学が取り組む「コスメティック構想」の実現へ

佐賀県は、豊かな自然環境と高度な農業技術により、豊富な原料素材を提供し、また、東アジアに近接した地理的優位性を活かして「コスメティック構想」を掲げて化粧品産業の集積と関連人材の育成を推進しており、製造業および製造販売業の数は増加傾向にあります。
地域が求める大学教育に対する社会的ニーズの変遷を受け、佐賀大学では、2018年に唐津市に置く唐津キャンパスをコスメ及びヘルス関連プロジェクトの拠点として体制を整備することで、教育・研究を推進するとともに化粧品科学共同研究講座を設置しました。

佐賀大学での「コスメティックサイエンス学環（仮称）」設置により、地元企業との連携が強化され、最新の研究成果を地域企業に還元し、技術革新を促進することが可能となり、地域と大学が一体となって化粧品産業の発展を推進。より高い水準の品質や機能、地元由来の天然資源を活用した化粧品開発や多様な専門知識・技術を持つ人材育成を目指すものです。

「コスメティックサイエンス学環（仮称）」での学び

「コスメティックサイエンス」とは、化粧品や、化粧品に使われる医薬品に含まれる化学物資が、体にどのように関わるかを研究する分野です。「化粧品」という狭い意味よりも、より広範囲に化学、生物学、皮膚科学、薬学、工学など複数の学問を融合しながら、化学物質の有効性や安全性を幅広い視点から学びます。

検討されているカリキュラムとしては下記のような学びを予定しています。
生活者のQOLと化粧品の関係、健康被害などへの理解を深める「コスメティックサイエンス概論」。植物資源の探索・収集・保存の重要性や植物遺伝資源の利用状況を理解するための「植物資源学」。コロイドと界面の定義、界面活性剤を学ぶ「コロイド・界面化学」。化粧品に含まれる化学物質の作用や、研究・製造の作業環境が健康に及ぼす影響を理解する「毒性学」。酵素や受容体などを介した作用の分子レベルで理解することで薬用化粧品などの作用機序の基礎を学ぶ「分子薬理学」。化粧品関連企業における化粧品の開発・製造・販売の実態を理解する「コスメ開発論」。

「コスメティックサイエンス学環（仮称）」で、どんな人材を養成するのか

「コスメティックサイエンス学環（仮称）」から広がるのは化粧品業界を筆頭に、食品、化学関連企業、公務員など多様な未来です。この学環にしかない学びを身につけ、人々の美しさを進化させ、健康的な日々を支える人材を養成します。

養成する人物像

化粧品産業を担う人材
コスメティックサイエンス分野における包括的な専門性を身につけ、開発・製造に貢献できる技術者。

化学物質の安全管理・適正利用を担う人材
化学的根拠に基づき、化学物質の品質・安全性を正確に評価できるスペシャリスト。

学際的な素養を持つイノベーション人材
学内の教育研究資材や学外の行政・企業と連携し、コスメティックサイエンス分野でのイノベーションを興せる人材。

「コスメティックサイエンス学環（仮称）」を知ろう！
イベント「未来発見オープンデイ」の開催について

イベント「未来発見オープンデイ」
日　時: 令和6年11月24日（日）
場　所: 佐賀大学本庄キャンパス（佐賀市本庄町１番地）
対　象: 高校生、保護者、教員、一般の方
方　法: 対面＆オンラインで開催
プログラム内容：学環紹介、講演会、座談会、個別相談会など（個別相談会の※オンライン配信はありません）
参加方法: 佐賀大学WEBサイトから事前申込が必要

※詳しい内容やお申し込み、お問い合わせはコチラ→

佐賀大学コスメティックサイエンス学環ホームページ

佐賀大学コスメティックサイエンス学環に関するお問い合わせ

コスメティックサイエンス学環（仮称）に関するお問い合わせは、こちらのお問い合わせフォームからどうぞ。
右のアイコンをクリックください。

関連リンク：佐賀大学広報動画「さきどり情報局」10月号が公開。今回は「コスメティックサイエンス学環（仮称）設置構想中」を紹介！
https://sagadaipress.saga-u.ac.jp/archives/12147/